今回の記事ではDMEDHにおいて「青緑系統のデッキで見るループの変遷」についてみていきたいと思います。
まずはじめに話しておかないといけないことがあって、
みなさまはDMEDHにおけるループデッキというものに対してどのような考えをお持ちでしょうか。
容認派、推奨派、完全否定派、いろいろあると思います。
EDHはローカルルールを様々に設定して遊ぶことも楽しさの一つなので思い思いの形で規制や解除していただけたらいいと思います。同一の名前を持つカードがターン1でしか使えないルールもローカルで解除しているところも多いと聞きますし。
ループの歴史を語る前に「なぜループがだめなのか」については話さないといけません。
ループデッキには「必要悪であるループデッキ」と「到底許容されるべきではないループデッキ」のふたつがあると私は考えます。
「必要悪であるループデッキ」とは何なのかというと、冗長になりすぎたゲームに終止符を打つループデッキです。人数が減って皆がガチガチに守りを固めていつ試合が終わるかわからず脱落した人が暇になってしまう試合展開はままあると思います。そいったロングゲームを終わらせる役割のループデッキはありなのではないでしょうか。
RPGにそういう敵いません?同一の場所でひたすら経験値を稼いでいるとでてくるめっちゃ強い敵。同じ場所にいつまでもいないで早く次にいきなさいと開発者がユーザーに暗に言っているような敵です。
EDHのループデッキもロングゲームを問答無用で終わらせて次に行くためのデッキという役割であるならばあったほうが良いのではないでしょうか。
私が必要悪といったのはそういった理由からです。
では「到底許容されるべきではないループデッキ」とは何なのかというと、駆引きを楽しむ暇なく圧倒的速度でゲームを終わらせにいくようなデッキのことです。これはよくないです。何のためにこのゲームをやっているのかわからなくなってしまい、EDHの理念が崩壊しますからね。
このふたつの項目を見ていただくとダメなループデッキがどちらなのかは一目瞭然ですね。このふたつの違いは何かというとたったひとつです。
ループ完成速度の違い
さて、ループデッキの種類について語ってきましたがこれから見てくデッキのほとんどが「到底許容されるべきではないループデッキ」のほうになってきます。
また、青緑系統のデッキに限定したのもこの色がループと密接な関係にあるためです。
『母なる紋章』がすべてのデッキに関わってくるのですが、このカードを使うためにEDHをしている部分もあるので雑に禁止をかけてしまうのはもったいないと思います。このカードに規制をかけたくないがために同一カードのターン1制限ができたのかもしれません。
ともあれ青緑のループがどのような変遷をたどってきたのかを見ていきたいと思います。
「クイーン・アマテラス」の登場
ループを語るうえで外せないのがこのカード。ループのフィニッシュに色を選ばないトンギヌスの槍を採用するだけでよくなったこと、一度手札に加えてから打つためアカデミーマスターなどのダブルスペル生物の効果が起動するようになったことなどループの難易度が非常に下がりました。
そしてRevfになってオールフォーワンが登場したことによってターンのアクション数を強引に増やすことができるようになりました。
そこで生まれたループが
「龍素王 Q-END」と「クイーンアマテラス」の2枚で完成するループです。
「トンギヌスの槍」「フォースアゲイン」「母なる紋章」「超次元エクストラホール」を使って相手の盤面を空にします。龍素王 Q-ENDの龍解条件とオールフォーワンがとても噛み合っていますね。このループはダブルスペルが必要点がすごいです。Q-ENDの表面であるエビデシュタインはとても場持ちがいいですしコスト軽減の効果も非常に優秀でした。
このタイプは「龍素王 Q-END」の規制によりすぐに姿を消しました。
しかしクイーンアマテラスはまだまだ猛威を振るいます。
クイーン・アマテラス と ダブルスペル生物
「龍素王 Q-END」をクイーンループ第一期とするならここからは第二期に入ります。
クイーンアマテラスとダブルスペル生物のループです。
ダブルスペル生物は「アカデミーマスター」「チュレンテンホウ」「ロビンチャンプ」が存在しました。今だと「ゴクガロイザー」も登場していますね。
クイーンとダブルスペル生物のループ開発初期は
「ダブルスペル生物」下で「クイーンアマテラス」を出して
「トンギヌスの槍」「母なる紋章」「超次元エクストラホール」「クローチェフォーコ」でフィニッシュしていました。ちなみにクローチェはオリーブオイルでも可です。
当時は青緑で耐久しながらダブルスペル生物とクイーンアマテラスを揃えていくデッキを使っていました。このデッキはある意味で「必要悪であるループデッキ」だったかもしれません。しかし、ある時ふと閃いてしまったのです。
デッキの非進化生物を「蒼狼の始祖アマテラス」「クイーンアマテラス」「アカデミーマスター」「クローチェ」「オリーブオイル」「斬隠オロチ」だけにしてこのループの基盤にエンペラーキリコを添えてみてはどうか。
そうすれば『エンペラーキリコの着地=ループフィニッシュ』という図式になるのではないか。
あとはもうトントン拍子でした。統率者を「プロメテウス」にして(ロビンチャンプも積んだことと、ダイキである必要がなかったため)、キリコから出てこない生物であるパックEとその種になるパックを買い青緑の超次元呪文をガン積みしてざ組んで対戦してみました。
その結果ループパーツが盾に落ちた時以外は7割くらいの確率で5ターン目くらいにキリコが着地してゲームが決まりました。数試合やって種明かししたあとはループが完成する前に他のプレーヤーから総殴りにされました。でも勝てます。なぜならデッキの生物を極限まで減らして呪文に寄せた結果、優秀な受けトリガーを積むことができブーストを1枚踏むだけでループターンが早くなります。また、その場合は盾から不足していたループパーツを拾うことができ、ループの安定感が増します。
私は直感しました
「このデッキはダメである」
と。一緒に回した皆も同じことを感じたようで、その場でこのデッキの使用期限を「パックEのために購入したパックがなくなるまで」とされました。皆優しいです。
余談ですがこのデッキの「パックE」は超BBPが最大値です。「母なる星域」の2枚目や、キリコとコンビ殿堂がかかっていた「フォースアゲイン」がでる可能性があるからです。またパックの中身の枚数が多いのも評価点です。詳しくは「パックEが進化したときのパックの行き先」で調べてみるとよいです。
当時超BBPは発売が終わっていたため私は他のパックを使っていました。
キリコ軸を自主規制した後はキリコに頼らずにループすることを目指しました。
そしてキリコを使えないことで「フォースアゲイン」が解禁されることを利用して
「ダブルスペル生物」下で「クイーンアマテラス」を出して
「トンギヌスの槍」「母なる紋章」「フォースアゲイン」「クローチェフォーコ」
でループするプランを開発しました。この場合だと「クイーンアマテラス」と「クローチェ」の効果が無限ストックできるのでフィニッシュが「Nワールドパクリオ」でもOKです。
こっちの型に戻してからは比較的健全な環境だったと思います。
「クイーンループ」というデッキを選択するという行為自体が初期ヘイトを集めてしまうので、一緒にやっていたプレイヤーのEDHの理解度が深まってきたこととあいまって非常に良いバランスだったと思います。
そう思っていた矢先、「ダブルスペル生物」が禁止されました。
しょうがないね、でも「ロビンチャンプ」だけは許してあげてもよかったんじゃないかなぁ。
NEOクリーチャーの登場
ダブルスペル生物が規制されてループもしばらく息をひそめていましたが優秀なNEOクリーチャーの登場により再び脚光をあびるこことなりました。
その主役となったのは「グレートグラスパー」と「クジルマギカ」です。ループしそうなことしか書いてませんね。通常環境でもグラスパーループという形でチェインレックスをたずさえてループをしていましたね。
ループに厳しめなEDHでは当然チェインレックスは禁止カードです。しかし母なる紋章はあるんです。そこで出来上がったループが
「グレートグラスパー」と「クジルマギカ」で
「アマテラス」「母なる紋章」「青ドラグナー」をループさせるデッキでした。
フィニッシュがファンパイループなのはチェインと同じですね。
このデッキがすさまじかった。
まずはループ開始条件の緩さ。
ダブルスペル生物軸ではおおまかに「ダブルスペル生物」が盤面にいて「母なる紋章」が山にある状態で「クイーンアマテラス」をだす。
というものでした。しかし、NEOクリーチャー軸のほうは
「グレートグラスパー」の攻撃時にマナから「クジルマギカ」をアンタップ状態の進化生物として出せればよく、マナに蒼狼アマテラスorクイーンアマテラスのどちらかがあればOKで、「母なる紋章」が山か墓地か手札にあればよい。青ドラグナーは後からマナに入れればよい。
というものでした。めちゃくちゃ緩いです。特に紋章の位置を問わないのが偉すぎました。さらには「グレートグラスパー」のcip能力のおかげで「デルフィン」などのスペルロック生物を1体までなら無効化できたこと。
そしてループパーツがどれも青緑ベースのループじゃないEDHのデッキを組んでも普通に入るカードたちなのもすごいです。そのせいでループの存在に気づくまで時間がかかってしまいました。これらが入ってるのにループデッキだと思ってなかった時期があったということです。
この記事をよんでいる方の中にももしかしたら同様の状態だった方がいるかもしれません。
その後コギリーザがでてクジルマギカの枠も代替可能になりいよいよ条件が緩くなってきたところですごいことが起きました。
このループデッキで
4巡目1番手でループしてしまったのです。
2巡目ベニジシスパイダーなどの好条件下とはいえEDHにおいて4-1でループしてしまうというのはさすがにやばいです。翌日、私はこのデッキを崩しました。
キリコ以上の衝撃でした。キリコの時はデッキを限りなくループにとがらせていたのでわからなくはないのですが、これはそこまで極端に尖らせていたわけではないのにキリコより早くループしてしまいました。
「到底許容されるべきではないループデッキ」この言葉が浮かんだのもその時です。
それからしばらくのち同名カードの同一ターンの使用が規制されループの灯は完全に消えてしましました。
他の色ではジャバランガなども登場していたため仕方のなかったことかもしれません。
まとめ
青緑系統のデッキで見るEDHループの変遷、いかがだったでしょうか。
私自身、長く青緑のデッキを使っていますがEDHにおいて青が持つ器用さと緑が持つアクション数の増加力はとても魅力的と感じており、各文明だけで見た時にはもっとも強い2色なのではないかと思います。もちろん組み合わせ方や構築次第でそれ以上のデッキパワーを叩き出すこともあるので一概には言えませんが。
最近では青緑基盤のファラララビッグを使っています。ファラララというカードを一番上手く使える色が青緑だと思い組んでいます。ファラララに関する記事も掲げているのでよければ見ていってください。
それではまた。
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