まずは基本構成+αから
CPU | Ryzan3 3300X | 15,381 |
GPU | GTX1660super | 27,773 |
メモリ | Team PC4-25600(8Gx2) | 8,480 |
マザー | ASRock B550M-Pro4 か | 14,000 |
SSD | シリコンパワー NVMe TLC (512GB) | 8,990 |
電源ユニット | 玄人志向 650W KRPW-BK | 6,777 |
CPUクーラー | 虎徹 MarkⅡ | 3,636 |
ケース | Thermaltake H17 | 2,709 |
CPUグリス | SMZ-01R | 1,089 |
OS | Windows 10 Home パッケージ版 | 17,527 |
合計(時価) | 106,362 |
コロナの影響でPCを組む人が増えたり、AMDから新しいCPUが続々出たり、6/16には第3世代RyzenCPUに最適の廉価帯マザーボードB550シリーズが発売予定だったりと、何かと盛り上がっている自作PC界隈ですね。
最近知人のPCを組む機会があったので各パーツの選定理由なんかを書いておきたいと思い今回の記事を作成することにしました。
このような構成になりました。
知人に組んだ部分とはいくつか異なる点があるのですが、自分が普段使う用に組むならこれにするという構成です。
マザーボードの価格はまだ未発表のため推定値となります。価格の発表がされ次第追記します。
それぞれのパーツを選んだ理由について述べていきます。
CPU
「Ryzen3 3300X」をチョイス。
他の候補としては「Ryzen5 3600」「Ryzen7 3700X」でした。
候補から外れた「Ryzen9 3900X」「Ryzen3 1600AF」についてみていきます。
「Ryzen9 3900X」が外れた理由はコスパ重視という観点にそぐわないからです。
性能重視の構成の場合には最有力候補ですが、今回の構成でこのCPUを搭載してしまうと冷却性も足りないので、最低でも水冷のCPUファンはほしいところです。そこまでするならまったく別の構成にします。
「Ryzen5 1600AF」は前世代CPUの叩き売りといった感じが強く、将来性に乏しいので候補から外れました。Zen2にも対応しておらずメモリの最大周波数が2667MHzと少し物足りないこのCPUで組んでしまうと、数年後にCPUを乗せ換えたくなった時に多くのパーツの換装が必要になります。また、最新のマザーボードがこのCPUに対応しない場合もあります。これが将来性に乏しい理由です。もちろん、現行最安値という観点だけで見て組むのであれば「Ryzen5 1600AF」は最有力候補ではあるのですが、今回は将来性を重視ということで。
余談ですが「Ryzen3 3300X」が売り切れていたからといって「Ryzen5 3500」にするのはやめておいた方がよいかと思います。ベンチマークの結果は「Ryzen3 3300X」のほうが高く、物理コア数の差からくる発熱量の違いしか差が無いからです。また、品切れが続いているといってもスポット販売ではないため供給量も徐々に増えてきており、B550のマザーボードの発売に合わせて再販が開始されるのではないかという予想もあります。ひとまずは、数週間待ってみるほうが良いかと思います。もしくは「Ryzen5 3600」にしましょう。
3つの候補内での選択は予算と相談するのが良いでしょう。
予算に余裕があるから快適にFPSをするぞって方は「Ryzen7 3700X」にしてグラフィックボードをもう一回り良いのに変更、そこまでのゲームはやらないけれど軽く動画配信程度はしたいという方は「Ryzen5 3600」をおススメします。どれもコストパフォーマンスに優れたCPUですので、何を選んだとしても間違いはありません。
GPU(グラフィックボード)
今回の構成ではグラフィックボードの性能は控えめです。
フルHDのFPSなんかを快適に行う場合はグラフィックボードに少し物足りなさを感じるかもしれませんが、その他の用途ではこれで十分です。
高性能グラフィックボードが必要になる場合というのは、最新のゲームをする場合と本格的な動画編集を行う場合です。前者はリアルタイムレイトレーシングがある方がよいし、後者はGPGPUやOpenGLがある方が便利だからです。
今回の構成でより安価な「GTX1650」にしなかった理由も将来性を重視した結果で、やりたいと思ったゲームが出てきたときや動画作成をしたいと思ったときにGPUの性能不足が原因で快適さが失われるのは嫌だったのでこれを選びました。重いゲームをしないのであれば「GTX1650」でもよいと思います。
価格調査時では以前より値上がりをしていたため、もし値段が大差ないのであれば「GTX 1660ti」への変更も視野に入ります。10%程度の性能差があるとないとか。ただ、「GTX 1660Super」でも十分な性能であるため数千円以内の差でなければ「GTX 1660Super」でよいと思います。
この手の自作PCをつくるときによく候補に挙がる「Radeon RX570」もありますが、ドライバの安定性や発熱による静音性の低下を鑑みた結果GeForceのグラフィックボードにしました。ですが、Fluid Motionという機能に魅力を感じるのならばRadeonを選びましょう。低フレームレートの描画を60fpsまで上げてくれる機能です。アニメのブルーレイやDVDをよく見る方はこの機能があるとよいでしょう、Youtubeなどオンラインにある動画を見る場合には専用のアプリが必要になるので注意が必要です。
メモリ
Team PC4-25600(8Gx2) を選択。
メモリに求めるものをほとんど持っているのにここまでの低価格を実現できるのは本当にすごいです。16GBx2の32GBに変更したとしても15,000円ですむという破格の値段。この性能ならば数年前は5万円はくだらなかったと思います。
3200MHzを定格で実現できている点とヒートシンク(放熱板のこと)を標準搭載なのが今回選んだ決め手です。
メモリには定格とオーバークロックという使い方があります。聞いたことが無い方はオーバークロックってなんだかすごそうと思われるかもしれませんが、定格のほうがえらいです。
オーバークロックとは「ちょっと無理して、限界スペックでがんばって」とメモリにお願いするような使い方のことです。メモリにストレスがかかりますし、発熱量も上がってしまい寿命も縮んでしまいます。そのため、同じ3200MHzをするにしてもオーバークロックで実現するのではなく定格で実現できる方がえらいというわけです。
このメモリがこの価格を実装するために犠牲にした機能があって、XMPといものです。エクストリームメモリプロファイルの略で、オーバークロックでの運用や低周波数で運用するときのメモリ設定をあらかじめ記憶しておく機能のことです。今回のCPUは最大メモリ周波数が3200MHzなのでオーバークロック等のメモリ周波数設定をする必要が無く、XMPを使いません。なので、このメモリで良いというわけです。
余談ですが、ドスパラのGALLERIAを買った知り合いが「Ryzen7 3700X」で「RTX 2070SUPER」のハイクラスの構成にも関わらずメモリが8GBしかありませんでした。オプションで変更可能だしメモリは用途に合わせて調整するべきなので納得できなくもないのですが、DDR4-2666のメモリでした。ようするに、最大周波数が2666MHzしかでないメモリのことです。せっかく18万円もするゲーミングパソコンを買ったのだからこれ以上落ち込ませるのも悪いなと思って、標準搭載のメモリと同じの買い足して8GBx2の16GBにすることを勧めました。「Ryzen7 3700X」性能を引き出しきれないのは気になるけど、酷使しないなら2666MHzの16GBでも事足りますし。マザー的に3200MHzはオーバークロックでの使用になるので、定格最大の2666MHzがとっつきやすいと考えれば納得もできます。
ただ、BlueStacksでPC内に仮想Android環境を作ってスマホゲームの配信まで始めるのであったら、今回の構成で用いたメモリを勧めて3200MHzの32GBを勧めたほうがよかったかなと思ってます。
そこまですれば「BlueStacks+スマホゲーム+配信+ディスコード+RTXVoice+Youtube」みたいな使い方をしても快適なはずです。メモリは作業台って喩え方をよくされるのですが、たくさんのことを同時にするのであれば机は広い方がいいです。配信のようなマルチタスクをするのであれば32GBにしておくのが無難でしょう。将来的にもっといいCPUに乗せ換える場合のことも考えて、あらかじめ大きいサイズのメモリを買っておいた方が何かと都合がいいとは思います。そんなに大きいサイズもいらないという意見もよく聞きます、32GBも使いきれないから16GBで十分という意見も正しいので予算と相談しましょう。
マザーボード
当初はASRock製のB450MPro4で組む予定でしたが、B550シリーズの発売が6月16日と発表されたためこちらに変更しました。マザーボードの性能は型番以外では大きく変わることはなく、マザーではなくCPUやGPUにお金をかけろとはよく言われます。逆に言えば、型番がが変わるのであれば性能も向上が見込めるため、変更しておく方がよいでしょう。X570シリーズはコスパの面でいまひとつなので、次世代廉価帯マザーボードB550シリーズには期待しています。
マザーボードの判断基準としては、M.2のレーン数は何本か、PCIeのレーン数は何本か、M.2のヒートシンクは標準搭載か、CMOSクリアボタンがついているか、一体型I/Oパネルかどうか、エラーランプがついているかどうか(主にASUS製)、Flash BIOS Buttonがついているかどうか(主にMSI製)といった要素があります。
同じ規格であれば性能面での差がほとんどないため、使いたい用途に合わせてこれらの中から必要なものを選ぶとよいでしょう。
今回候補に挙がっている「ASRock B550M Pro4」と「ASRock B550M Steel Legend」をみていきます。
どちらもM.2のレーン数は2本で、ヒートシンクは標準搭載。「ASRock B550M Steel Legend」についてはCMOSクリアボタン搭載で一体型I/Oパネルとなっています。
12,000円までで「ASRock B550M Steel Legend」が買えるのであればそちらに、でなれば「ASRock B550M Pro4」にする予定です。「ASRock B550M Steel Legend」にはI/Oパネルの位置を調整してケースの歪みに合わす機構がついており、マザー自体が光るので将来的に中身を見せる構成に変えるつもりであればこちらを選ぶのが鉄板でしょう。
これらはすべてMicro-ATXというサイズのマザーボードで、B550MのMの部分がMicro-ATXであることを示しています。略形でμATXと表記されることもあります。ATXサイズのマザーボードでもよかったのですが、ATXサイズまで対応のケースだとMicro-ATXサイズまでのケースと比べ大きくなってしまいます。それを嫌ったためMicro-ATXサイズにしました。
*追記:ASUS,ASRockともに6月20日から順次発売開始との発表がありました。また、予想販売価格も発表されておりました。
SSD
NVMeのSSDを採用しました。これにした理由はTLC規格の中で一番安かったからです。
SSDの規格はいくつかあってQLC,TLC,MLC,SLCがあります。右に行くほど壊れにくく寿命も長いですが、左に行くほど価格が安くなります。QLCというのは2年くらい前に出来上がった規格で、まだ安定性に問題があるかが不確実です。そのため、TLC規格のシリコンパワー製を選びました。
従来の3.5インチや2.5インチのものをSATA接続じゃダメなのかという声もあるかと思いますが、せっかくならNVMeのものをお勧めします。
NVMeという規格は、もともとノートパソコンのストレージ用に開発されたものなので、マザーボードに直接取り付けられる小型のものとなっています。新たにHDDやSSDを増設したいと思ったときに、SATA同士だとケース内で場所の取り合いを起こす場合もあります。先につなげておく方をM.2にしておけばそういった心配もなくなるのが理由の一つです。
もう一つの理由は、単純にSATA SSDより高速だからです。5倍くらい早くなると思います。早さはそれだけ快適さにつながりますから。
欠点としてはSATAよりも発熱が大きいのでヒートシンクの取り付けが推奨されるところです。今回候補にあるマザーボードにはM.2用のヒートシンクが標準で取り付けてあるので別途用意する必要はないです。
容量は512GBを選びました。増設しない場合にはこれくらいあれば十分かなと思ったのでこのサイズです。大容量のデータを扱うことになったら、別途SSDなりHDDなりを増設しましょう。内蔵ドライブを増設しやすいのが自作のメリットです。
はじめからHDDを増設する前提で組むのであれば256GBのものでもよいでしょう。HDDの値段も今はかなり安くなっているので十分選択肢です。
電源ユニット
玄人志向のセミプラグイン650W電源を採用しました、認証はブロンズです。
配線の綺麗さを考えてプラグイン電源から選びました。セミプラグインでも十分なためコストに優れたこの電源を採用です。電源にお金をかけるくらいであれば、CPUやGPUにまわしたほうがいいと思っているためこれで十分かと思います。ハイエンドなCPUやGPUを積む場合は電源効率まで考えてGold認証の850W電源とかになりますね。「Thermaltake TOUGHPOWER GF1 850W」あたりが良いと思います。認証とは電源効率の良さを表す規格のことで、スタンダード、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、チタンとランク付けされていきます。右に行くほど効率が良いです。
今回の構成での消費電力を計算した結果、550Wでも足りたのですが数百円しか変わらなかったため、将来を見越して650Wにしました。電源容量が多くて困ることはないので。
CPUクーラ
虎徹 Mk-Ⅱ
風魔や忍者にするくらいであれば虎徹で抑えとくのが無難です。この価格帯では1強といっていいCPUクーラーで冷却面、静音性ともに非常に優れています。
RyzenのリテールCPUクーラ(CPUに標準で同梱されているCPUクーラのこと)は冷却性能がいいとは言われますが、虎徹と比べると20℃弱温度が高くなってしまうので、虎徹に変えておきましょう。
一般にCPUは冷えているほど性能が向上します。Ryzenは特にその傾向が顕著です。高い温度でCPUを運用し続けると故障や寿命の低下につながるのでCPUクーラは換装しておきましょう。
これより高性能のCPUクーラーはどうなのかというと、低コスト簡易水冷のCPUクーラよりも冷却性能に優れている「Noctua NH-U12A」等があるためそちらから。その次に、「Corsair H100i Pro」といった簡易水冷のCPUファンが候補に挙がってきます。それらが必要になってくるCPUは「Ryzen7 3700X」以上だと思っているので今回のような構成の場合には「虎徹 Mk-Ⅱ」で十分でしょう。
ケース
Thermaltake H17
価格のわりにかなりしっかりとした作りと静音性を両立した良いケースです。裏配線スペースがきちんとあるのも高評価ポイントです。中を見せたいのであればH18へ変更しましょう。
ケースは自作をするうえで一番好みが出る部分なのでコスパで選んだ場合にはこれになるよというご紹介です。今回選んだケースには3.5インチベイがついていないため、光学ドライブを付けたいよって方やATXのマザーボードで作るのならばH26なども良いと思います。ピカピカしたPCはあまり好きではない方はP7 Silentなんかもおすすめです。
個人的な意見なのですが、PCの中身が見えると「ここのパーツ変えたいな」とか「水冷にしてチューブとラジエータを映えさせたいな」などの欲求が無限に湧いて出てくるため、機能美と思いながら中の見えない静音ケースにすることが多いです。
どのケースを使ってもPC本体の性能に差が出るわけではないので、CPUクーラーやGPUが入るかという部分と、エアフローに注意して好きなのを選びましょう。
その他
CPUグリス、ドライバー(物理)、ケースファン、Wifiカードについて
CPUグリス
個人によって好みが別れるところです。
私はSMZ-01R(通称:猫グリス)派ですが、Thermal Grizzly(通称:熊グリス)やMX-4なんかもいいと思います。
熊グリスは冷却性が高いですが粘性も高いグリスとなっているため、頻繁にCPUクーラーの付け替えを行う人や自作PC初組の人には向かないかもしれません。MX-4はダイヤモンドグリスではないため猫グリスや熊グリスに熱伝導率では劣りますが、さらさらとしたグリスのため塗りやすいのが特徴です。猫グリスはそれらのバランスが良く、コスパの面で優れているためこれを愛用しています。
いずれも絶縁タイプのグリスなのでCPUから多少はみ出す程度なら問題のが良いです。グリスは基本的には好きなのを選んでもらってよいのですが、絶縁タイプのグリスにするのを推奨します。
ドライバ(物理)
パソコンの中に入っている各種ソフトのことではなくねじ止めする方のドライバです。
どのご家庭にもあると思っているため構成の中には入れておりません。無い場合は百均のもので構わないのですが、しいておススメならベッセルの2x150でしょうか。
100mmではなく150mmを勧める理由は虎徹MarkⅡが高さ154mmなので150mmのドライバであればクーラに干渉されることなくネジ止めができるからです。あとは、ドライバの先がマグネットになって作業がしやすいのもよいです。
ケースファン
もとからケース裏側の排気口に1基ついていて、追加でつけられるのはフロント裏面に3基と上部の吸気部裏に1基です。14mmのファンを使う場合にはフロントにつけられるファンは2基までなのでご注意ください。中身を見せつけるのでなければ、フロント中央に1基と上部に1基の合計2基で十分かと思います。CPUクーラをリテールクーラのまま使用する場合はケースファンの増設は必要かなと思います。
ファンにはpwmという機能がついているものがあります。パルス幅変調の略でファンの回転数を制御できる機構のことです。ファンから伸びてるケーブルの先端についているピンの本数でpwmの有無がわかり、4ピンと言われるものはこの機構があるもので3ピンと言われるものにはついてないです。
光らせないpwm付のファンは「KAZE FLEX」でよいと思います。
Wifiカード
一般に自作パソコンというのはWifiやBluetoothの機能はついておりません。そのため、有線LANを利用しないのであれば必然的にWifiカードが必要となります。PCIeスロットを用いてWifiカードを使っても良いのですが、今回紹介したマザーボードにはどちらもM.2用のWifiカードを搭載できるので使っていきたいと思います。
取り付けるものはそんなに多くなく、M.2用Wifiカード、アンテナとケーブルの3つです。PCIe用のものよりも安価で高性能なものがつけれるのでおすすめです。この価格でWifi 6がつけられるのはお得です。今回のマザーボードにはwifi固定用のネジがあるので背面ブラケットはいらないですが、ないのであればそれを用いて取り付けましょう。
OS
必要経費です、割り切りましょう。
少し高いと思われるかもしれませんがOSの開発費にもなるので。
一度パッケージ版(リテール版と言ったりもします)を買っておくと、CPU等を変えた時にそちらにOSを載せ替えることが可能になるため、自作を頻繁にする方は最初の1回を買ってしまうだけでよくなります。
少し前ならばHomeでなくProという選択肢もありましたが、Windows Updateの更新時間をある程度調整できるようになっているので今はHomeで十分だと思います。
おわりに
今回の構成は私ならこう組むという一つの案を提示しているだけで絶対的なものではありません。それぞれのパーツを選ぶ手助けになれば幸いです。
ではでは
0 件のコメント:
コメントを投稿